(自筆証書の)遺言書の探し方

遺言

タイトル通りですが、今回は主に「自筆証書遺言」についてです。

自筆証書遺言とは簡単に言えば「手書き」の遺言書のことですが、
比較的よくあるご相談は
①どこにあるのかわからない(あった気がする)
②これが遺言書なのか?
というものです。順に検討してみましょう。

まず①の場合、あるかないかというのは実は一番難しい問題です。
そして、「あったはずだけど見つからない」というのも曲者です。
よくある保管場所は、
・銀行の貸金庫
・家の金庫
・仏壇の中
・タンスの中
・誰かに預けていた
などですが、生前にどこにあるかだけは聞いておいた方がいいのは間違いないでしょう。
なお、余談ですが、貸金庫の中は保管場所としては不適格です。
というのは、「貸金庫を開けるための遺言書が貸金庫の中にある」からです。
私はこの状態を「卵が先か鶏が先か」と呼んでいます。貸金庫を開ける鍵が遺言書だと思っていただければ、鍵が金庫の中にあれば開けることができませんよね?
この場合、相続人全員が協力すれば開けることは可能ですが、非協力的な相続人がいたり、行方不明者がいたりする場合、開けるのは少し厄介です。

次に、②の場合ですが、
よくある思い込みとしては、
「チラシの裏側にメモしてあるものは遺言書ではない」
=遺言書は必ず封筒に入って封印がないといけない、というものです。
法律上は、遺言書は(少なくとも)本文が自筆、日付、氏名、押印などが必須ですが、逆に用紙に指定はなく、チラシの裏であろうが、メモ用紙であろうが、構わないわけです。

というわけで、もし、チラシの裏側にメモがあったら保管しておくことをおススメします。
実際に遺言書として使えるかはともかく、書いた人の想いが込められていればそれはある意味遺言書よりも重要なメッセージではないでしょうか?

なお、判断に迷う場合は専門家に相談されることをおススメします。うっかり破ったり捨てたりすると「相続欠格」となって相続権がなくなることもあります。くれぐれもご注意ください。
また、法務局での保管制度というものもあります。この場合は①の問題は解決できます。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

司法書士・行政書士 相波聡明

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