法定相続情報証明

 相続は非常に複雑というお話をさせていただきました。
 そんなに複雑な手続きですが、少し簡単にできるとしたら、その手段を知りたいと思うのは私だけでしょうか?
 このページではそんな手続きの一つをご紹介いたします。名前は「法定相続情報証明制度」、聞いたことがありますでしょうか?
 よろしければ騙されたと思って最後まで読んでみてください。知っておいて損はないと思います。

 相続手続きの中で、一般的に最もややこしいとされている一つが戸籍の収集と呼ばれるものです。
 一般の相続の手続きでは、具体的には、以下の書類を集める必要があります。
 ①被相続人(亡くなられた方)の出生から死亡にいたるまでの連続した戸籍
  謄本一式
 ②相続人全員の戸籍謄抄本
 ③相続人全員の印鑑証明書
 ④遺産分割協議書
 わかりやすくするため詳細は割愛しますが、①が一番ネックになります(②は相続人自身が取得できるためあまり問題にはなりません)。
 そう、この①というのが曲者なのです。というのは、人は生まれた瞬間親の戸籍(時代によってはその親、つまり祖父など)に出生の旨の記載がされます。そして婚姻した場合新たな戸籍が作られ、他にも転籍した場合などはまた新たに戸籍が出来上がるのです。そして、相続の手続きにおいてはこれらの戸籍を全て(間が抜けることなく)揃えることが必要になるのです。
 そして、この戸籍、時代によって制度が変わるため、その制度の改正によっても内容が書き換わっていたりします。また、古い戸籍の場合、文字が読めないことも稀に(?)あります。まるで古文書ですね。
 そんな戸籍を全て集めるには、役所に請求をかけて、届いたものを見て、次を請求する、という非常に地味な手続きがあります(非常に地味というのは正に相続で戸籍を代行取得する士業ならではの意見かと思いますが、当然、専門家である以上、より柔軟に迅速に請求することができる自負があります。)。
 そして、この戸籍謄本一式が集まったら、他の書類とともに各窓口に提出することになるのですが、ここでまた一つ問題が出てきます。そう、受け取った側でも戸籍を全てチェックする必要があるということです。
 戸籍を集めてみた方なら共感いただけると思いますが、あの戸籍の束をいきなり持って来られたら、なんとなく気が重くなりませんか?我々士業でも戸籍の収集は業務の中で割と比重が重くなります。それは、きちんと読み解く必要があり、抜けが許されないわけですから当然なのですが、この手間を軽減できる制度があればいいのにな、という話になりそうですね。
 そこで、前置きが非常に長くなりましたが、「法定相続情報証明制度」の登場です。簡単に言ってしまえば、戸籍の束(戸籍謄本一式のことをそう呼んでいます)内容を「A4用紙一枚」で「法務局」が「無料」で証明してくれる制度です。
 そして、我々司法書士は当然にこの制度を代理人として行うことができます。
 実際にこの制度を利用すると、お客様はもちろん、銀行の窓口や郵便局でも非常に簡単に審査ができるので非常に好評です。一つネックなのは、お客様がこの制度を知る前に相続手続きをある程度終わらせてしまい、一番最初に利用していれば得られたであろうメリットが活かされていないことです(つまり、戸籍の束一式を一回集めるだけで済むということです。場合によっては数枚ずつ戸籍を集める方もいらっしゃるので費用もその分余計にかかります)。
 誤解を恐れず言えば、「相続が起きたら司法書士に相談を」ということですが、業界的にもこの制度、もう少し宣伝してもよいと思うのです。司法書士はあまり宣伝が得意でないのでしょうが、お客様のみならず、手続きの相手方にもメリットがあり、正に三方良しです。
 そんな法定相続情報証明制度について詳しくお知りになりたい方はお気軽にご相談ください。相談無料で承っております。

あいば司法書士・行政書士事務所
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