住所・氏名変更登記

 数ある登記の中でも比較的割合が高い登記です。
 具体的には、結婚で苗字が変わったり、引っ越し等で住所が変わった場合に行う登記です。
 業界的には住変(じゅうへん)、名変(めいへん)と言ったりしますが、実際にご依頼を受けた案件でこの登記を忘れると、大変な目に遭います。
 前置きが長くなりましたが、比較的多い登記なので、一般的に必要な書類等をお伝えします。
 引っ越しの場合は大体以下の二つでしょうか。
  ・住民票、又は、戸籍の附票
 こちらは登記簿に記載されている住所から現在の住所まですべての記録がつながっていることが必要になります。いわゆる転勤族のような方の場合は戸籍の附票の方がつながる可能性が高いことが経験上多いです。
 ところで、「戸籍の附票」とは何ですか?とよく聞かれるのですが、こちらは一言で言えば、「戸籍に紐づけられた住所の履歴」です。ですので結婚等で戸籍が書き換わっている場合などは戸籍の附票に記載されている住所の履歴が少なく、住所の連続性が取れないこともままあります。
 氏名変更登記についてのご説明ですが、上と重複しますが、結婚で苗字(法律的には氏(うじ))が変わった場合の変更登記のことです。こちらは戸籍謄抄本と住民票(本籍入りのもの)が必要になります。
 なお、ここまで読まれた方の中にはお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、結婚と同時に引っ越しした場合は、上記、住民票(本籍入り)と戸籍謄抄本がセットで必要になります。
 そして、またまた余談ですが戸籍謄抄本というのは謄本(全部という意味です)と抄本(一部という意味です)の組み合わせた言葉です。該当する方が記載されているものであれば足りますので、仮に奥様の苗字が結婚で変わったのであれば奥様の戸籍抄本でも足りるということです(この場合、謄本であっても手続き可能です。登記を審査する法務局は必要以上の情報が記載されていても余計なことは干渉しません。)。
 実務的には、長期間変更登記がされていない住所変更登記がなかなかの曲者で、昨今話題の「所有者土地不明者問題」の原因の一つとなっています。
 ですので、この登記は義務ではありませんが、個人的には、「気づいたとき」に行っておくことをお勧めしております。時間が経過すると余計に費用がかかるので、放っておくと碌なことはありません。

 なお、登記の費用ですが、上記のように複雑になった場合は別途お見積りとなりますが、登記申請1件あたり、報酬として1万円~、不動産1つにつき1,000円が登録免許税(税金)となります。

あいば司法書士・行政書士事務所
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