家庭裁判所の手続の良くある質問

家庭裁判所の手続

遺言書の検認手続

「検認手続」とは何ですか?
検認手続とは、「家庭裁判所で自筆証書遺言を開封し、お墨付きを与える」手続きです。内容について有効無効を判断するためのものではありません。
また、法定相続人全員に裁判所から呼び出しがかかりますが、行く義務はありません。
ただし、遺言書の存在自体(あること)がわかってしまうという側面もあります。
必要書類は何ですか?
通常は以下の書類が必要です。
・申立書
・遺言書(原本)
・遺言者の出生から死亡に至るまでの連続した戸籍謄本
・法定相続人全員の戸籍謄抄本
・遺言者の住民票除票または戸籍の附票
・予納郵券(郵便切手)
わたしは裁判所まで行かないといけないのですか?
申立人である場合は行く必要があります。
遺言書は検認手続の当日に持参することになっていますので、保管者が裁判所に行かないと手続が進まないからです。
逆に、あなたが裁判所から呼び出しを受けただけであれば行く必要はありません。
遺言書の内容を見たければ検認手続の日に行くのがよいでしょう。
相談する際は、どんなものを準備すればよいでしょうか?
とりあえず、以下のものをご用意ください。
・遺言書(封がされていてもそのままの状態でお持ちください)
・戸籍謄抄本(あれば)
・認印
・運転免許証等本人確認書類

特別代理人選任

「特別代理人」とは何ですか?
例えば、相続が起こったとします。そして相続人は、あなたとあなたのお子さんの二人で、お子さんが未成年者であるとします。
もし、二人の間で遺産分割協議をするとしたら、お子さんの代理人は本来親であるあなたですが、遺産分割協議は「親であるあなた」と「お子さんの代理人であるあなた」で行うことになってしまいます。
この状態が認められてしまうと、お子さんにとって不都合な遺産分割協議が認められてしまう結果になりかねません。
このように利益が衝突してしまうことを「利益相反」といい、この場合には未成年者に代わって遺産分割協議をしてくれる人=特別代理人が必要となります。
特別代理人は管轄の裁判所に申し立てることにより選任され、特別代理人とあなたの間で遺産分割協議を行うことになります。
特別代理人はわたしが決めることはできますか?
選ぶのはあくまでも家庭裁判所ですが、「候補者を立てる」ことができます。
ただし、なれ合いを防ぐため必ずしも候補者が選ばれるとは限らないことにご注意ください。
相談する際は、どんなものを準備すればよいでしょうか?
遺産分割の場面が多いため、相続手続の中で出てくるケースが多いです。
そのため、特段必要な書類等はありませんが、候補者がいるようでしたらその人についてのメモ(住所、氏名、生年月日、職業など)をご用意ください。

相続放棄

亡くなった人に借金があったら相続放棄しないといけませんか?
相続放棄をするかはその相続人の自由です。借金を相続したくないとのことで相続放棄を選ばれる人がいる一方で、貸してくれた人に迷惑をかけられないということで相続される方もいらっしゃいます。
また、借金の内容によっては相続を前提としているもの(例えばアパート経営している場合)もありますのでその場合は相続されることになろうかと思います。
相続人の話し合いで借金を相続しないと決まりました。何か問題はありますか?
遺産分割協議(相続人全員の間の話し合い)の中で「借金を相続しない」という取り決めがされることがあります(家庭裁判所に対して行う相続放棄と混同されている方も多いようです。)。
この場合、債権者(=お金を貸している人)が承認してくれれば特に問題はないかもしれません。
しかし、債権者が承認してくれない場合、いくら相続人で話し合った結果であったとしても「対債権者」の関係では借金は承継することになります。
また、承継した人がそのまま支払っていたとしても、その後に支払えなくなった場合に債権者から改めて支払うよう請求される可能性があります。
一番安全なのは家庭裁判所に対して相続放棄することです。これが認められれば債権者が請求してきてもあなたに支払う義務はありません。
相続放棄は3か月以内と決まっていると聞きました。私の場合は3か月を既に過ぎていますのでもう相続放棄はできないのでしょうか?
相続放棄の申述期間(家庭裁判所に対して相続放棄を求められる期間)は「自己が相続人となったことを知ったとき」からとされております。
ですので、被相続人が死亡したのをそもそも知らない場合は、「その死亡を知ったとき」からカウントされます。
また、仮に死亡したことを知ってから3か月が経過していても、借金があることを知らないような場合は一定の場合には相続放棄が認められる可能性があります。
詳しくはお尋ねください。
ただし、いずれにしても相続放棄を検討するのであれば早めに対処しないと時間がかかる手続ですので、くれぐれもご注意ください。
あいば司法書士・行政書士事務所
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